ネイティブ広告の定義、表記に関する注意点について
皆さんはインターネットでコンテンツを閲覧している時に、そこに書いてある情報と一緒にネット広告を目にすることがあるかと思います。今や、街頭看板よりもネット広告の方が安定したレスポンスがあると言われているくらい、ネット広告の持つ影響力は大きくなっています。そんな中、今話題になりつつあるのが「ネイティブ広告」です。
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ネット広告のメリット、デメリット
ネット広告が大量に表示されると、もともとのそのサイトの本体となっているコンテンツレベルを下げてしまうばかりか、ユーザーからの信頼も失ってしまいます。最近ではスマホの無料ソーシャルゲームにおいて、ゲームの合間合間に強引に他のゲームや関連の薄いコンテンツの広告がカットインするようになり、ユーザーから酷評されているケースをよく目にします。
このように、ネット広告は広告として非常に効果がある一方で、その方法次第では広告自体に限らず、表示されているメディアの信頼をも失ってしまうリスクがあるのです。
そこで、このリスクを回避しつつネット広告の持つ広告ポテンシャルを最大限発揮する方法として見出されたのが、これからご紹介する「ネイティブ広告」なのです。
ネイティブ広告とは
インターネットを閲覧していて、広告が目に入るとどうしても邪魔に感じてしまいます。そこで、広告がユーザーにとっての邪魔にならないよう、最大限配慮したのが「ネイティブ広告」です。つまり、広告を掲載するメディア媒体とデザイン、色使い、フォント、そして内容などを同じ体裁に整えることで、ユーザーの邪魔をせず、コンテンツの一部として見てもらうことを目的としているのです。
たとえば、不動産投資に関する情報メディアに、そのメディアと同じ体裁で不動産会社や物件情報の広告を作成し、コンテンツの中に自然に溶け込ませるような手法です。
なお、ネイティブ広告のことを「記事広告」という人もいますが、正確に言うとこの2つは違います。記事広告とは、いわば広告を自然に表示させるための手法の一つであり、ネイティブ広告の1つの方法ということになります。つまり、ネイティブ広告には記事広告以外にもたくさんの手法があるということです。
ネイティブ広告の定義とは?
実際にネイティブ広告と言われるものには、一定の要件があるとされています。一般的には、次の要件を満たす広告のことをネイティブ広告と表現します。
フォームの統一性
ネイティブ広告は、掲載するメディアと自然にシンクロしている必要があるため、広告の掲載位置などのデザインフォームや色合いなど細かな点について、統一性をもたせる必要があります。
内容の関連性
先ほどの例のように、不動産投資メディアに不動産会社や物件情報の広告を掲載するように、掲載先となるメディア本体のコンテンツ内容が密接に関連している必要があります。
例えば、不動産投資メディアに全然関連性のないネットゲームなどの広告が表示されてしまっては、完全に広告が元のメディアを邪魔してしまい、ネイティブ広告本来の目的を達成できません。
このように、ネイティブ広告において掲載先のメディアコンテンツと広告本体の関連性は、とても重要なポイントとなります。
表示方法の統一性
ネット広告はユーザーに与える視覚的要素がとても重要となります。
いくら掲載先メディアと同じ内容の広告だったとしても、その「見せ方」がメディアとずれていてはやはり不自然に映ってしまいます。
そのため、スクロールやロールオーバー時の反応、リンクを押した時の状態など、表示される方法を掲載先メディアと統一させることが重要です。
広告の比率
ネイティブ広告は、あくまで基本となるコンテンツに対して自然に溶け込ませることを目的としているため、広告の割合はごく一部である必要があります。ページ全体が広告ではなく、あくまでその一部に広告を溶け込ませてメディアと一体性をもたせます。
効果測定の基準
一般的なネット広告の場合は、バナーやリンクのクリック数や、その後のサービス申し込みや購入決定などのコンバージョンなどをもとにレスポンスを計測します。
これに対しネイティブ広告の場合は、あくまでメディアに自然に溶け込ませてユーザーに認識させることが第一目的のため、クリック数やコンバージョンではなく、「閲覧時間」や「シェア」などを基準に効果測定をする必要があります。
ネイティブ広告の表記について
ネイティブ広告は広告であることをできる限り抑えて、メディアと一体的なコンテンツとして掲載することでより広告効果を発揮するため、表記についてもできる限りそれが広告であるということについては触れたくないというのが本音です。
けれども、ネイティブ広告の一般的なガイドラインから考えると、やはりユーザーが広告ではないと誤認しないよう、ネイティブ広告であってもそれが広告である旨は表記すべきでしょう。
あえて表記したくないところではありますが、表記することで逆にユーザーの信頼感が増す可能性もありますので、ネイティブ広告を打つ際にはこういった点もあらかじめよく理解しておきましょう。