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グルーポンのバードカフェ謹製おせちの炎上事例

ネットにおける炎上事件で忘れられないのは、2010年の年末に発生したグルーポンによるバードカフェのおせち事件です。この事件はテレビなどでも連日取り上げられたため、ネットユーザーに限らず、多くの方の記憶にあるところかと思います。
そこで今回は、この事件の概要と、そこから学ぶべき教訓について解説したいと思います。

そもそもグルーポンとは

グルーポンとは複数の人で共同購入することで、通常ではできない大幅な割引をするというものです。例えば、今回問題となったバードカフェのケースでは、次のような仕組みとなっていました。

  1. 通常価格2万円のおせち料理があります。
  2. このおせち料理を期限までに500人購入してくれたら、半額の1万円にします。
  3. 500人に満たなかった場合は、この話は白紙となります。
  4. 500人を上回った場合は、半額の1万円でおせちが提供されます。

このように、店側はまとまった発注を受けられることで、通常よりもコストダウンが図れるため、半額という破格の値下げが可能となるのです。ただ、ここで忘れてはならないのは、グルーポン側の取り分です。グルーポンは共同購入が成立した場合、その売り上げの50%を手数料として請求するといわれています。
ということは、事実上、バードカフェの場合店側の売り上げは5,000円にしかなりません。

どんな簡素なおせち料理でも原価5,000円以下で作れるようなおせちなんてそうそうないでしょう。つまり、バードカフェ側は売れば売るほどマイナスの状態で発注を受けている状態になるのです。

なぜグルーポンが成立するのか

ではなぜ赤字にしてまでグルーポンを介して発注を受けるのでしょうか。

その答えは、店側がグルーポンを宣伝などのプロモーションの一貫として捉えているからです。例えばバードカフェが自社のおせち料理を宣伝しようとした場合、下手な広告に費用を費やすよりも、グルーポンによって大勢の人にその味を知ってもらい、口コミやリピーターによる効果を見越して赤字を広告宣伝費と捉えてグルーポンを活用するため、このような無謀とも言える割引が成立するのです。

期待を大きく裏切ったバードカフェ

このように、商品やサービスの良さを知ってもらうことに一番の意義があるグルーポンですが、この期待をバードカフェは大きく裏切ったのです。2010年の年末に購入者の元に届いたのは、あまりにもスカスカで腐りかけのおせち料理だったのです。

当初品数は33種類としていたところ、実物には25品程度しかなかったこと、さらに詰められていた料理の量も非常に少なく、あまりにもお粗末なおせちでした。これによりバードカフェのおせち問題はグルーポンというひも付でネット上に一気に拡散され、おせちの画像も瞬く間に広まりニュースにもなりました。

その後のバードカフェの対応

バードカフェは結局、代金を返金するという対応をとることとなりましたが、この問題はバードカフェだけではなく、商品の品質に一切関知していなかったグルーポン側の管理体制も指摘されました。

このような極端なプロモーションを行う以上、店側に通常では考えられないほどの負担がかかることは容易に予想できるはずです。そのあたりの品質管理も問題ないと判断した上で、プロモーションを実施すべきだったといえるでしょう。
グルーポンは活用の仕方を間違えなければ、企業やお店にとって非常に大きなビジネスチャンスをもたらしてくれます。けれども、バードカフェのように許容量を超えるような発注を受けた上に、お店の宣伝にもならないようなお粗末なおせちを作ることは、誰にとっても得にならないでしょう。

グルーポンが抱えるさらなる問題点

このようにグルーポンは赤字を広告宣伝費と捉えてプロモーションに利用するのが一般的な概念ですが、最近ではグルーポンのみで売り上げを上げようと努力をしている企業やお店も出てきているようです。

もちろん努力をすることは良いことですが、そもそも原価を無視したような低い価格設定のため、まともに利益を出そうとしてもなかなか難しいというのが実情です。そこで知恵を絞った経営者の中に、割引の元となる通常価格自体を存在させないとする手法を生み出してしまったのです。つまり、グルーポン出品用の別会社を設立して、定価自体を操作してグルーポンを成立させようということなのです。

このような行為が横行してしまうと、商品やサービスの質はどんどん定価してしまうでしょう。このあたりについては、グルーポン側が出品者に対して一定の品質を求めるよう監視していくことが求められるでしょう。

売る側の周知理解が重要

グルーポンは、それを利用する側にとってはたとえ格安で購入したとしても、気持ちとしては通常価格のユーザーと同じサービスや商品が受けられると考えます。
これに対し、店側の対応が、「割引で利用する客だから」という低い意識のもとサービスや商品を提供すると、プラスのためのプロモーションのはずが、一転してネガティブキャンペーンのような状態になってしまいます。

そのため、グルーポンのような定価を大幅に値下げしてプロモーションを打つような場合は、価格は落としてもサービスは落とさないという点について、必ず徹底させることが重要であるといえるでしょう。