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ネット炎上から個人情報が特定されるまでの流れ

最近ではネット炎上により、世間に不名誉なレッテルを貼られることになってしまった人や企業がたくさんあります。記憶に新しいところでは、タレントのベッキーさんの不倫騒動や、某食品会社の異物混入などがこれに当たります。

なお、これらの対象は初めから有名でしたが、ネット炎上の怖いところは、たとえ世間一般的に知名度がない普通の人でも、炎上が原因で個人情報を特定されてしまう可能性があるということです。

そこで今回は、軽はずみな投稿から個人情報が特定されてしまうまでの流れについて、リアルに解説してみたいと思います。

Contents

どんな炎上もまずは一つの投稿から始まる

ネット炎上

ネット炎上は、たとえどんなケースでも始まりはたった一つの投稿から始まります。今回は、ネット炎上の起点となりやすいtwitterからスタートしたと仮定して解説したいと思います。

例えば、あなたがある遊園地でひどいマナー違反をしている学生の集団を目撃し、その様子を画像つきでtwitterにつぶやいたとしましょう。

「常識のなさすぎる高校生、、、皆さんはこんな行為どう思いますか?」

こんな投稿は、twitterではよくあることですが、この時点で写真に写っている学生が、どこで何をしているのかという、ある意味個人情報が漏洩したことになります。さらに、高校生がもしも制服を着ていれば、場合によっては学校名まで特定されるかもしれません。ただ、twitterに投稿されただけでは、まだそこまでの炎上は起きません。ここを起点としてじわじわと情報が横に広がっていくのです。

まとめサイトが画像を一気に拡散させる

このように問題提起型の投稿は、世間の関心を集めやすいため、アクセス数を稼ぎたいまとめサイトの管理人がすぐに寄ってきて記事を引用していきます。

まとめサイトは投稿の内容を深堀りするため、最初のtwitterでの投稿からさらに細かな情報を調査や憶測などによって枝葉をつけていきます。
この時点で、遊園地の名称や学生の通う学校名が具体的に記載され始めます。

Instagramやfacebookから個人情報を吸い出される

学校名を特定されてしまうと、アクセスは一気に増えていきます。そして、そのアクセスの中にはその学校に実際に通っている生徒や保護者が混じってくることになります。そうなるとどんどん個人情報の特定が加速していきます。

人は、そんな馬鹿な行為をしたのが誰なのか、無意識のうちに特定したくなるため、どんどんコメントが増えてアクセスも増えていきます。そうするうちに、画像に写っているわずかな情報から、
「あれ、こいつら3年2組の〇〇たちじゃないのか」
という投稿が出始めます。
万が一ここで個人名が出てしまうと、一斉にその個人名での検索が始まります。

ここで仇となるのがInstagramやfacebookです。これらに公開制限をかけていない場合、ことの真相を知りたい輩が、一気にアクセスしてきてその人の個人情報をどんどん吸い出していきます。出身地、生年月日、学校、家族構成など、公開設定している情報については、容赦なく漏洩していきます。

さらに怖いのは「画面キャプチャー」です。
最近のスマホは、閲覧して表示している画面自体を画像としてキャプチャーすることができるため、それをそのまま新たに投稿されるという可能性もあります。

《参考》ネット、SNS(line・twitter・facebook)などによるいじめと名誉毀損について

《参考》ネット上に自身や家族の写真を投稿するリスクと、勝手に使われた時の対処法とは?

2chなどで晒し者になる

話題性があればあるほど、一度漏洩した情報はどんどん拡散していきます。その中でも最も怖いのが、日々凄まじいアクセス数を誇る「2ch」の掲示板です。特に、こういった批判が集まる内容については、2chのアクセスが集まりやすいため、万が一ここに複数のスレッドが立ってしまうとどんどんエスカレートしていってしまいます。

さらに、ここに万が一先ほどのInstagramやfacebookから漏れ出た情報が掲載されてしまうと、本当に深刻な状況となります。2chは、一度投稿されてしまうと、明らかな個人情報でもない限り、管理者が削除請求に応じてくれない可能性が高く、裁判所に仮処分を申し立てるなどの手続きまでしなければ、立ってしまったスレッドを消すことができなくなってしまうのです。

《参考》2chの記事削除と削除依頼の方法、そして裁判所仮処分の仕組みとは?

《参考》2chに削除依頼しても削除されない、消えない場合の対処法について

炎上の残骸は、半永久的に残り続ける

こういった炎上ネタは、ひとしきりコメントを集めると、潮を引くように綺麗に引いていき、人々は次の話題へと移っていきます。おそらく今回のようなケースだと、最初の投稿がtwitterにされてから、炎上が落ち着くまで1日足らずでしょう。

ただ、炎上の本当の怖さはここからです。
炎上はそれ自体が終わったとしても、炎上によって寄せられたコメントや書き込み、スレッドが自動的に消滅していくわけではありません。これらの情報は、被害を受けた本人が自らそれらのサイト管理者に対して、1件1件削除請求をしなければ、半永久的に情報が残り続けてしまうのです。特に、個人名については、ネガティブな情報とセットで残ってしまうと、将来就職する時などに採用担当者の目に入ってしまう恐れもあります。

誰もが炎上の加害者、被害者になりうるからこそ対策が必要

このように、炎上の原因を作った加害者自身、そこまで大きな被害に発展するとは全く想像していなかったことでしょう。また、被害者についても、まさか自分の名前がネットを通じて全国に配信されてしまうとは思ってもみなかったでしょう。

この両者の炎上に対する認識の甘さこそが、炎上を引き起こしてしまったのです。

一度炎上してしまったら、それを完全になかったことにすることはできません。だからこそ、ネット上に画像や情報を投稿する際には、それがどんな影響をもたらす可能性があるのかについて、もう一度よく考えて投稿しましょう。また、万が一ネット上に個人情報が流出しているのを確認したら、それぞれのサイトの管理者に素早く削除請求するとともに、ネットに強い弁護士に相談するようにしましょう。