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コンビニ(ローソン・ミニストップ)のアルバイト店員がアイス冷蔵庫に入り炎上した事例

ネットに不適切な画像を投稿したことで、自分だけではなく、周りの人の人生までをも狂わせてしまうことがあります。特に、最近ユーザーがどんどん増えているtwitterfacebookなどのSNSは、スマホなどで簡単に写真をアップロードすることができるため、ことの重大性を深く認識しないまま、不適切な画像を投稿してしまうケースが多いようです。

そこで今回は、たった1回の不適切な画像投稿で、取り返しのつかないことになってしまった「ローソンのアイスクリームケース事件」について解説してみたいと思います。

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舞台となったのは、大手コンビニチェーン「ローソン」


出典:http://ashibi63.com/service.html

事件が起きたのは、2013年7月です。高知県にあるローソン加盟店の従業員が、店内のアイスクリームケースの中で、商品であるアイスクリームが入ったままの状態でその上に寝そべっている様子(うつ伏せと仰向けそれぞれ)を自身のfacebookに投稿したのです。のちの調べで、この従業員はこの店舗のオーナーの息子(21)だったそうです。

地元住民の話では、ガラが悪く評判もあまりよくなかったようで、今回の事件については腑に落ちたようです。

画像がネット上で拡散し、ローソン本社が対応する羽目に

おそらく本人は短絡的な悪ふざけだったのでしょうが、一度facebookに投稿した画像は、一気に拡散します。特に、このような不適切な画像については、拡散するスピードが速く、たった1日で全国津々浦々まで知れ渡ってしまう恐れがあります。

この人が、facebookを無制限に公開設定していたかどうかはわかりませんが、たとえ公開範囲を制限していたとしても、一度画像をアップすればその画像は何らかの形で拡散してしまうということを忘れてはなりません。
この画像を見た消費者から「不適切」「不衛生」という指摘が巻き起こり、ネット上で炎上し、最終的にはローソン本社がweb上で謝罪する事態にまで発展してしまいました。

早かったローソンの対処と、容赦ない処分

昨今ではこういった事態を想定しているためか、企業の危機管理体制が整ってきているようです。

今回のローソンアイスクリームケース事件がネット上で炎上してから、ローソン本社が処分を下して謝罪するまでが非常に迅速でした。ちなみに、このあまりにも軽率な店舗オーナーの息子の行動により、次のような処分が下されました。

  1. 当該店舗とのフランチャイズ契約の解約(FC契約条項に基づく)
  2. 当該従業員の解雇
  3. 他の従業員の再教育の実施
  4. 当分の間の休業

なお、一部の情報によれば、この店舗はFC契約を解約されたのち、ローソンの直営店となり、従業員を一新した上で再オープンしたそうです。今でもローソンの公式ホームページで当該店舗である「高知鴨部店」を検索すると、ちゃんと24時間営業しているようです。

この店舗のように地方の店舗の場合は、そのコンビニが地域住民の生活に欠かせない場合も多く、このような不祥事が起きても、そう簡単には店舗を潰すわけにはいかないのでしょう。

ただ、そのまま営業させるわけにもいかず、ローソン本社はFC契約の解除という選択をしたのでしょう。

たった1度の間違いで、取り返しのつかないことに

このように、本人は軽い悪ふざけのつもりだったのでしょうが、その代償はあまりにも大きかったと言わざるを得ないでしょう。
例えば、店舗内において接客などのクレームやトラブルが発生したとしても、おそらくここまで問題が大きくなることはないでしょう。少なくとも、今回のように即日FC契約を解除されて本人まで解雇されることはなかったはずです。

労働基準法で労働者は手厚く保護されているにも関わらず、このような即日解雇の決断に至るということは、企業としてもこういった不適切な行為や画像の投稿には、断固たる姿勢で対処するという強い意思を感じざるを得ません。

今なお残る風評被害

このように一度ネット上で炎上してしまうと、実はもう一つ問題が発生します。それは、炎上した残骸による「風評被害」です。

例えば、この事件は発生から既に3年以上が経過しているにも関わらず、対象店舗名である「高知鴨部店」とグーグルで検索するだけで、「閉店」とか「従業員がアイスクリームケースの中に入る」といった関連ワードがサジェスト機能によって自動的に表示されてしまうのです。さらには、この画像を撮影して投稿した本人の苗字までもサジェスト機能で表示されている始末です。

このように、事件から長い年月が経過しても、ネット上には炎上した残骸が残り続け、そしてそれらは半永久的にネガティブな情報を発信し続けてしまうのです。
(未だに、アイスクリームケースの中で寝そべっている画像が、ネット上で簡単に閲覧できてしまいます)
おそらく今この高知鴨部店はとても良いコンビニになっていることでしょう。けれども、ネット上ではいつまでも「アイスクリームケースの中に人が入ったことがある店」というレッテルがついて回ることになってしまうのです。
そしてこれが、「炎上」の本当の怖さなのです。