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すき家の店員「牛丼に胃液」「肉鍋にゲロ吐いた」のつぶやきから炎上した事例

突然ですが、皆さんは「ウソ」をついたことがありますか。
おそらくほとんどの方が、人生において何回かは「ウソ」をついたことがあるのではないでしょうか。
では、ツイッターやフェイスブックなどで「ウソ」をついたことはありますか?
もしも「ある」という方、もしかするとそのウソの内容によっては、とんでもないトラブルを引き起こしてしまうかもしれません。
今回は、そんな「ウソ」をツイッターでつぶやいたことで、大トラブルを巻き起こしてしまった事例をご紹介したいと思います。

Contents

冗談では済まなかった冗談:すき家のアルバイトの話


出典:http://www.sukiya.jp/

事件が起きたのは2012年2月のことです。
ある日、ツイッターにこんなつぶやきが投稿されました。

「頭痛と吐き気がやばくて動けないんだけど疑われて無理やりシフト入れと言われたので肉鍋にゲロ吐いてきます」

皆さんはこれを読んでどう思いますか?

取り方によっては冗談とも取れますが、このように活字だけで表示されると、表現者の意図することを正確に汲み取ることは非常に難しくなります。そのため、見る人によっては「本当にゲロを吐く予告なのではないか」と心配するでしょう。

事実、本人がなぜこのような投稿をしたのかは不明です。
ただ、ここまでであれば、冗談か本気かよく分からないため、これ以上問題視されることはなかったでしょう。
しかし、これに続けて次のような投稿がされました。

「お客様の食べている牛丼は私の胃液が入っているかもしれませんね」

これもまた意味深なつぶやきです。

おそらく本人は面白半分で投稿しているのでしょうが、それを受け取る側の心理は、本人が思っているものとは違ってきます。特に、食品関係について、人はとても敏感に反応するため、このようなすでに実行したと思わせる様な投稿は、読み手を心配な気持ちにさせるのには十分でしょう。
ただ、これでやめておけば、なんとか炎上せずに済んだかもしれません。事実、この段階ではまだ他のユーザーはそこまで深く相手にしていなかった様です。けれども、もっと注目を集めたかったからなのか、トドメにこんなつぶやきを投稿してしまったのです。

「病院行ったら胃腸風邪とかノロウイルス的な類と診断されました」

冗談もここまで書いたら完全に「アウト」です。
このつぶやきが発見されたことにより、ネット上で大騒ぎとなり大きな混乱を招いたのです。
さらに、この時の投稿に使われた「#sukiya」というハッシュタグから、その牛丼チェーンがすき家であることが発覚し、その店舗探し、そして犯人探しが加速することとなったのです。

その後本人はことの重大性に気がついたのか、次のようにつぶやきました。

「飲食店で働いていることに自覚は持っていますので、意図的な異物混入などはしていません」

ただ、時すでに遅し、情報が拡散して炎上してからでは、このような謝罪もあまり大きな効果はありません。その後本人は慌ててツイッターやミクシィのアカウントを削除したようです。

アルバイトの真っ赤な嘘のせいで、会社が謝罪する羽目に

ことが大きくなったため、すき家を運営する「ゼンショー」は公式ホームページ上で当該騒動について正式に謝罪をすることとなりました。

その後の調べで、このアルバイト店員はツイッターに投稿した当日には就業しておらず、投稿したような行為に及んだ事実もなかったことがわかりました。
要するに今回の事案は、一人のアルバイト店員の悪質なジョークのせいで、大企業が公式に謝罪するという事態に陥った、極めて異例なトラブルと言えるでしょう。

ツイッターでのウソやジョークは危険

そもそも、今回の投稿を面と向かって誰かに話しているのであれば、それをジョークとしてとってもらうことはできたかもしれません。

けれども、ツイッターではそんなジョークや冗談といった高度なニュアンスは伝わらないのです。むしろ、ネガティブな部分だけがクローズアップされて一人歩きしてしまうのです。ですから、ツイッターでつぶやく際には、この事例のようなきわどい表現は絶対にやめましょう。

すき家炎上事件のその後

結局この事例においては、すき家サイドとしては公式ホームページでの謝罪にとどまり、当該アルバイトの解雇までには至らなかったようです。

これは、実際にそのような行為に及んでいなかったことが、処分が軽くなった要因と考えられますが、それでも今回の投稿によって、少なくともすき家のイメージが悪くなった可能性は否めないため、投稿した本人としては、最悪解雇という結論を突きつけられても致し方なかったところでしょう。

ただ、何れにしても、今回の事例から、ツイッターでのこうした投稿は「ウソでした」チャンチャン、では済まないということを強く印象付けたといえるでしょう。ツイッターでつぶやく際には、この点について十分注意しましょう。

一歩間違えば、解雇では済まない可能性もあるかもしれませんから。