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ネットで名誉毀損されたら、慰謝料はいくらもらえるの?

2ch、ツイッター、ブログ、ヤフー知恵袋、フェイスブック、SNSなど、今やネット上のあらゆる媒体において誹謗中傷被害が発生しています。

ではもしもあなたがネット上で何らかの名誉毀損を受けた場合、その加害者に対しては具体的にいくらくらいの慰謝料を請求することができるのでしょうか。


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そもそも慰謝料とは何を指しているのか

慰謝料とは、精神的苦痛に対する損害賠償金のことで、名誉毀損以外にも交通事故で被害を受けたことに対する慰謝料や、浮気などの不貞行為に対する慰謝料、犯罪被害者に対する慰謝料などがあります。

ちなみに、慰謝料の対象となるのは、生命、身体、自由、名誉などが不法に侵害された場合です。よって、原則的には物を破損させた場合については慰謝料が発生しません。
その場合は、破損させたものの修理費用や買い替え費用などを負担することとなります。

慰謝料は、精神的苦痛を金額に評価するという非常にデリケートなものになります。
そのため、慰謝料にはその目安となる相場というものがあります。

慰謝料の相場っていくらくらいなの?

では、もしもネット誹謗中傷被害を受けた場合は、具体的にいくらの慰謝料を請求することができるのでしょうか。

結論から言うと、個人に対するネット誹謗中傷による名誉毀損の場合、その慰謝料相場はおよそ「50万円〜100万円程度」が相場となります。
あとは、具体的にどのような内容の書き込みだったかによって、その金額が調整される形となります。

ネット誹謗中傷による具体的な事例と慰謝料額

1:ブログに誹謗中傷や虚偽の内容を書き込んだケース(平成24(ネ)771 損害賠償請求控訴事件 平成24年12月21日 名古屋高等裁判所 その他 名古屋地方裁判所)
慰謝料100万円

2:ブログに弁護士個人の信用を害する虚偽の書き込みをしたケース(平成24(ワ)11119 信用毀損行為差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成24年12月06日 東京地方裁判所)
慰謝料50万円

3:2chへの書き込みで同業者の信用毀損やプライバシー侵害をしたケース(平成23(ワ)4576 損害賠償請求事件 平成24年07月17日 大阪地方裁判所)
慰謝料100万円

さて、皆さんはこの金額を聞いて高いと思いましたか?それとも低いと思いましたか?
それともそんなもんか、と思いましたか?

おそらくこの情報だけでは、高いのか低いのかよくわからないことと思います。
では、ネット誹謗中傷以外の慰謝料相場と比べてみましょう。

口頭での誹謗中傷の場合の慰謝料

ネット上ではなく、対面の場や公衆の面前で誹謗中傷された場合の慰謝料はいくらなのでしょうか。これについては、その時の状況にもよりますが、およそ「10〜20万円程度」が相場となります。

過去の判例では、タクシー運転手が客から誹謗や侮辱を20分間受けた事例で10万円の慰謝料が認められたほか(昭和54年11月27日 大阪高等裁判所)、株主総会で名誉毀損発言をした相手に対し15万円の慰謝料が認められています。(平成18(ワ)23402等 不正競争行為差止等本訴請求事件 平成20年11月28日 東京地方裁判所)

ネット誹謗中傷に比べると、情報の拡散範囲が狭くなるため、慰謝料相場については低くなるようです。

メディア上での誹謗中傷の場合の慰謝料

新聞や雑誌などで他人を名誉毀損した場合については、2chなどネットへの書き込みよりも損害が大きいと考えられています。過去の事例でも、新聞記事の内容で名誉毀損されたケースで600万円の慰謝料が認められています。(平成22(ワ)9588 損害賠償請求事件 平成24年06月15日 大阪地方裁判所)

このように、同じ名誉毀損でも認められる慰謝料は、誹謗中傷をした「媒体」によってその相場が変わってくるのです。ネット誹謗中傷の慰謝料は、口頭での誹謗中傷よりも慰謝料相場は高いが、雑誌や新聞、テレビなどよりも低く見られる傾向にあると言えるでしょう。

慰謝料以外に請求できるものとは?

ネット誹謗中傷による損害賠償の中心は慰謝料請求ですが、それ以外にも経済的な損失が生じている場合には別途請求できる場合があります。

例えば、お店の悪口を書かれたことによって、風評被害が広まり、結果としてお店の売り上げが減少したような場合は、精神的な苦痛以外にも「売上げの減少」という経済的被害が発生しているため、これを損害として相手に請求することが可能です。

ただしこの際には、経済的損失がいくら生じたのかなどの点が問題となります。
また、売り上げの減少と誹謗中傷との間に相当な因果関係が認められなければ、売り上げ減少に対する損害賠償請求は認められません。
もしも、誹謗中傷被害によって、お店や会社の売り上げに影響が出た場合は、それについてしっかりと記録するよう心がけましょう。

ネット誹謗中傷による慰謝料請求のポイントとは

ネット誹謗中傷は、口頭での誹謗中傷、名誉棄損とは違い、はっきりと証拠が残ります。つまり、言った、言わないの問題にならないため、証拠をしっかりと保存しておけば、被害を証明することは比較的容易です。

けれども、誹謗中傷記事の削除請求を管理者やプロバイダに対して行うと、誹謗中傷の証拠がネット上から消えてしいます。ですので、もしも誹謗中傷する書き込みを発見した場合は、次のような方法で証拠を保全しましょう。

ネット誹謗中傷の証拠保全方法

  1. 誹謗中傷記事が掲載されている画面をプリントアウトして保管する。またその際に、プリントアウトした日時を印字する。
  2. 誹謗中傷記事が掲載されている画面自体をキャプチャーして、画像としても保存しておく。また、PDFとしても保存しておく。
  3. 誹謗中傷記事が掲載されているサイトのURLをコピーして記録しておく。
  4. 動画や画像による名誉毀損は、それらをダウンロードツールなどを使って確保しておく。

慰謝料請求の基本的な流れ

ネット誹謗中傷により名誉を毀損された場合は、真っ先に弁護士に相談するのが賢明です。では、弁護士に相談すると具体的にどのような流れで慰謝料を請求するのでしょうか。

1.管理者への削除請求

まずはこれ以上の風評被害を防ぐために、掲示板の管理者やプロバイダに対して書き込みの削除請求をします。弁護士が書面を作成し郵送しますが、削除が認められない場合は裁判所を介して仮処分の申立てを行う場合もあります。

2.発信者情報の開示請求

削除と併行して、誹謗中傷記事を投稿した相手を特定するために、プロバイダに対して発信者情報の開示請求を行います。弁護士に依頼をして開示請求を行うことで、開示が認められる可能性が高まります。

3.損害賠償請求

加害者が特定できた段階で、やっと慰謝料などの損害賠償請求に移ります。これについても弁護士が代理人となって、加害者側と直接交渉してくれますので安心です。

このように、ネット誹謗中傷については、削除、開示請求、損害賠償という順番で進んでいきます。
なお、これらの手続きは被害者自らが全て対応することは非常に難しく、また結果が出ないことも多いので、もしもネット誹謗中傷の被害を受けましたら、できる限り早い段階で弁護士に相談するようにしましょう。