「関連検索ワード」でうちがブラック企業と表示されている!どんな仕組みで表示されるの?
皆さんはご経験あるでしょうか。
ヤフーやグーグルを使って物事を検索すると、打ち込んでもいないのに勝手にそれに関連する言葉が検索欄に補間表示されて、ついクリックしてしまうなんてこと。
例えば、これからランチに行こうと思ってその店の名前をヤフーで検索したとします。この際、店名の後に補間表示で「まずい」とか「接客悪い」などと表示されたら、何の根拠もないのに行くことをためらうのではないでしょうか。これは検索エンジンの機能の一つなのですが、これが原因で誹謗中傷と同等の被害が発生することがあるのです。
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関連検索ワードが表示される仕組みとは?
そもそも何でこんな頼んでもいない関連検索ワードが勝手に表示されてしまうのでしょうか。この仕組みは、検索エンジンの機能の一つで、「入力補助」や「サジェスト」などと言います。
これは検索エンジンを提供する側からの一種のサービスのようなものであり、ユーザーがこれから検索しようとしているワードに関連する関連検索ワードを検索エンジン側が先回りをして打ち込む前に教えてくれるのです。
考えようによっては、とても便利な機能です。
例えば「マイナス金利」と打ち込むだけで「失敗、いつから、日銀」などといった関連検索ワードが自動表示されるため、検索する側の一つの指標にもなります。
この入力補助機能の仕組みは、簡単に説明するとその検索エンジンで入力したワードと一緒に打ち込まれたことが多いワードを検索エンジン側で記憶し、特に頻繁に検索されるワードを関連検索ワードとして自動的に表示しているのです。
つまり、「まずい」とか「ブラック」などといったネガティブな情報については、そもそも本当かどうかという観点ではなく、単に一緒に検索されるだけでその「レッテル」を貼られてしまうのです。
ブラックでもないのにブラック!関連検索ワードは企業にとっての死活問題
さて、このように関連検索ワードはあくまで検索エンジンに同時検索されたものの集計に過ぎないため、必ずしも事実を反映しているわけではありません。むしろその逆といっても良いかもしれません。
例えば「ブラック」が良い例です。
皆さんは「ブラック」という関連検索ワードが春に表示されやすいということをご存知でしたでしょうか。実は、春先の数ヶ月前から始まる就職活動がこれに大きく影響しているのです。
就職活動をする際に、多くの就活生が気にしていることがあります。
それは、面接試験を受ける企業がいわゆる「ブラック企業ではないのか」ということです。ひと昔前であれば、ブラック企業かどうかは入社してみなければわかりませんでしたが、最近では企業名と一緒に「ブラック」などのネガティブワードを一緒に検索することで、ヒットしてきたサイトを確認して推測できるようになっています。
これにより、多くの就活生が企業名と同時に「ブラック」というワードを一緒に検索することとなったため、このデータが集計されてくる春先くらいから、企業名を入れるとやたらと「ブラック」と表示されやすくなるのです。
これは、良い人材を確保したい企業側からすれば大変な死活問題です。何しろブラックでもないのに関連検索ワードにブラックと表示されたら、企業イメージは大幅ダウンです。そのため、この関連検索ワードについては、企業として必ずリスク対策しなければならないといえるでしょう。
関連検索ワードに表示されやすい「ネガティブワード」について
人は自分自身のリスクヘッジのために情報を検索することが多いため、自ずと同時に検索する関連検索ワードはネガティブワードが多くなります。ヤフーの入力補助やグーグルサジェストなどで企業名と一緒に表示されやすい関連検索ワードには以下のようなものがあります。
- ブラック
- リストラ
- 激務
- 自殺
- セクハラ
- パワハラ
- モラハラ
- 内定取り消し
- 過労死
どれも自社には絶対に貼られたくはないレッテルです。では、万が一これらの関連検索ワードが表示されるようになってしまったら、どう対処すれば良いのでしょうか。
関連検索ワードのネガティブワードは削除申請できる
関連検索ワードで表示されるネガティブワードについては、その検索サイトの管理者に対して削除申請することで削除することが可能です。
例えばヤフーであればヤフー、グーグルであればグーグルといった感じでそれぞれに削除申請が必要となります。ただ、現実を言うと関連検索ワードはそれだけをもって誹謗中傷や名誉毀損とはなりにくいため、そう簡単には削除してもらえません。
そのため、場合によってはSEO対策業者に依頼をして、削除したい関連検索ワードに代わる新たな関連検索ワードを大量に生成するなどといった手法をとるしかないでしょう。
関連検索ワードのネガティブワードの削除は、その仕組みを理解した上で早急に対処
このように関連検索ワードは、企業のリスク管理として常に気にして観察し、万が一発見した場合はすぐに対処することが大切です。また、その際の具体的な対処法については、ネット誹謗中傷に強い弁護士に相談すると良いでしょう。