ネットやITに強いサイバー弁護士ってどんな弁護士?
最近ではインターネット上の犯罪が非常に増えているそうです。そもそも日本はサイバー攻撃に弱いといわれ続けてきたため、ことネット上の犯罪については先進国の中ではその対策に遅れをとっていると言えるでしょう。
そんな中、もしも自分がネット犯罪の被害者となった場合、いったい誰に相談すれば良いのでしょうか。
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ネット犯罪は法律問題の中でも特殊な案件
弁護士が扱う法律問題には、殺人事件、傷害事件などの刑事事件をはじめ、相続、離婚、交通事故、債務整理といった民事事件などその種類は様々あります。そんな中、ネット犯罪であるネット誹謗中傷や風評被害、名誉毀損などの事案は、前述した事件とは違い、かなりの特殊性があります。
【主なネット犯罪について】
- 誹謗中傷する書き込み
- プライベート写真など個人情報の流出
- リベンジポルノ
- コンピュータへの不正アクセス
- 迷惑メール
単なる誹謗中傷や名誉毀損とは違い、ネットが絡むと途端に事件は複雑化します。
例えば、他人に公衆の面前で暴言を吐かれた場合、加害者については簡単に特定できます。けれども、ネット上で暴言に相当する書き込みがされたとしても、そう簡単には加害者を特定できません。これを特定するためには、法律知識だけではなく、ネット上の仕組みなどITに精通した知識も必要になります。
そのため、万が一ネット犯罪の被害にあった場合は、一般的な弁護士ではなくITにも詳しい「サイバー弁護士」に相談する必要があるのです。
ITに強い「サイバー弁護士」ってどんな弁護士?
IPアドレス、プロトコル、プロバイダ、ドメイン、トラックバック、ファイアーウォールプロキシ、ミラーサイト、皆さんはこれらの用語を聞いて、それがなんのことなのか、他人に正しく説明ができますか?
これらの言葉を聞いたことはあるという人は多いと思いますが、説明しろと言われると難しいのではないでしょうか。
サイバー弁護士とは、法律の知識に加え、これらの用語の意味についても熟知している程度のIT知識を兼ね備えている弁護士のことをいいます。
また、ネット犯罪については、民法などの一般法意外にも、以下のようなネット犯罪特有の関係法令に関する高度な知識も要求されます。
【ネット犯罪に関連する主な法令】
- プロバイダ責任制限法
- 迷惑メール防止法
- 不正アクセス防止法
- リベンジポルノ防止法
- 特定商取引法
弁護士は通常、法学部卒のエリートが多いため、法律は詳しくてもITについては弱いというケースが多々あります。特に、ベテランの年配弁護士など若い頃にITが普及していなかった世代の弁護士は、ネット犯罪への対応力が弱い傾向にあります。
「サイバー弁護士」に相談するメリットとは?
サイバー弁護士に相談すると、一般の弁護士の場合に比べどのようなメリットがあるのでしょうか。
削除が早い!
ネット誹謗中傷などネット上に名誉を既存するような書き込みや画像がアップされた場合は、何をおいてもまずはその情報を迅速に「削除」することが、風評被害を最小限に抑えるためにも最も重要です。
ただ、ネット上にアップされた情報を削除することは、決して簡単なことではありません。2ch、ツイッター、フェイスブック、インスタグラム、ミラーサイトなど、どこに削除対象となる情報がアップされているのかによって、削除要請をする先が変わってきます。ITに不慣れな弁護士の場合、どこに削除要請をすれば良いのかがすぐにわからないため、まごまごしている間にどんどん情報が拡散してしまいます。
その点、ITに強い「サイバー弁護士」であれば、サイト、ブログ、掲示板ごとに削除の依頼先やそのルートを熟知しているため、受任後速やかにそれらの管理者に対して削除要請を行うことができます。そのため、サイバー弁護士に依頼すると削除までのスピードが段違いに早いのです。
ネット被害に対する損害賠償請求に強い
誹謗中傷やそれによる風評被害に対しては、慰謝料などの損害賠償請求をすることができます。
そこでポイントとなるのが、加害者である「情報発信者の特定」です。
誹謗中傷記事の削除については、サイトや掲示板の管理者に対して行うことが多いため、削除しただけでは加害者を特定することができません。そこでネット被害に強いサイバー弁護士は、プロバイダ責任制限法による発信者情報開示請求を行い、プロバイダから加害者の氏名、住所、IPアドレスなどを入手します。この時の開示請求のフローが、サイトや掲示板によって異なるため、ネット被害に不慣れな弁護士に依頼してしまうと、ここで無駄に時間を使ってしまうばかりか、開示自体が認めてもらえないようなケースも出てきます。
けれども、ネット被害に強い「サイバー弁護士」に依頼すれば、2ch、爆サイ、ホスラブ、yahoo知恵袋などあらゆるサイトに対するフローがマニュアル化されているため、対処が早く加害者を早期に知ることができるのです。また、慰謝料請求においても、過去の判例に精通しておりますので妥当な慰謝料を素早く算出することが可能です。
このように、サイバー弁護士は一般の弁護士に比べ、ネット被害に対する損害賠償請求にとても強いのです。
《参考》ネット誹謗中傷、風評被害対策に強い弁護士の報酬はいくら?
サイバー弁護士ってどうやって探せばいいの?
サイバー弁護士を探す最も簡単な方法、それは弁護士の検索サイトでネット犯罪、ネット被害に強い弁護士を検索することです。弁護士の中にはホームページを持たずに営業している事務所もありますが、「サイバー弁護士」であれば必ず事務所のホームページを開設しているはずです。
そして、さらにネット被害に力を入れている法律事務所の場合、以下のような傾向があります。
【ネット被害に強い法律事務所の傾向】
- 弁護士自身に、大手IT関連企業の勤務経験がある。
- 弁護士以外にも、ネット対策専門の技術者やエンジニアと提携している。
こういった情報は、ネット被害に力を入れている法律事務所であれば、必ずホームページにその記載があります。これらのサイバー弁護士は、ネット上の仕組みに精通しているため、対処が早く、また段取りも良いため迅速に書き込みや画像を削除することが可能です。
まとめ
このようにネット誹謗中傷やそれによる風評被害、名誉毀損などについては、他の法律相談とは違い極めて専門性が高い事案となります。
そのため、実際に相談する際には予めインターネットで「サイバー弁護士」「ネット誹謗中傷に強い弁護士」「IT弁護士」などと検索したり、法律事務所の検索サイトなどを活用してネット誹謗中傷に強い「サイバー弁護士」に依頼するようにしましょう。