ネット誹謗中傷はとことん怖い!デジタルタトゥーはどうやって消せばいい?
ネット誹謗中傷の被害に遭った場合、何とか管理者に連絡をつけて誹謗中傷記事や画像などを削除できたとしても、それだけで全てが消えたとは言えません。
実はインターネットの世界には「デジタルタトゥー」というものが存在しており、発端となったサイトのデータを削除しただけでは、根本的に解決できないのです。
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デジタルタトゥーってなに?
あまり聞きなれないかもしれませんが、実は非常に恐ろしいのがこのデジタルタトゥーです。
直訳するとデジタルの「入れ墨」であり、入れ墨といえばあとから消すことができないものです。
つまり、デジタルタトゥーとは、ネット上で公開された情報が「消せなくなる」状態のことを言います。
例えば、自宅の前の塀にあなたを誹謗中傷する落書きがされたとします。これを削除したければ、近所のホームセンターで専用の洗剤を買ってきて必死に掃除すれば完全に削除できます。塀に書かれた落書きを真似して別の塀に同じ落書きをする人はまずいないでしょう。
けれどもネットの世界はそうはいきません。
2chなどの掲示板に誹謗中傷記事が書き込まれた場合、いわゆるコピペでたった1秒の間に同じ文章がコピー(複製)されてしまうのです。こうして複製された誹謗中傷記事は、元のネタを書き込んだ人の意図とは関係なく、どんどん「拡散」していってしますのです。
インターネットは広大な原野も同然です。そこにまかれた誹謗中傷記事を、すべてを探し出して消し去ることは極めて困難ということなのです。
最近では、電子掲示板やブログ、SNSなどに書き込んだ情報が、全く違うサイトなどに無断で拡散されるといった問題が多発しています。
このように、一度書き込まれた誹謗中傷記事や個人情報、画像などはものすごい速度で細胞分裂を繰り返し、ネット上の「デジタルタトゥー」となって残り続けてしまうのです。
デジタルタトゥーになりやすい2つのパターンとは
誹謗中傷する記事や画像がデジタルタトゥー状態となるケースは、主に次の2つのパターンがあります。
1.ブログや掲示板の「炎上」
ネット用語における「炎上」とは、何らかの書き込みをきっかけに、それに対する非難が殺到する状態のことを言います。最近では「祭り」などと呼ぶネットユーザーもいます。一度炎上すると、数万、数十万という恐ろしい件数のアクセスが局地的に集中することとなり、サイトがダウンすることもあります。
この炎上状態が誹謗中傷記事をデジタルタトゥーにしてしまうことが多いのです。
そもそも誹謗中傷するようなネガティブな記事は炎上しやすい傾向にあります。また、炎上するような掲示板やブログの場合、ネガティブなコメントの応酬となる可能性が高く、これがさらなるアクセスを呼び込んでしまうのです。
炎上した掲示板やブログに書き込まれた誹謗中傷記事は、アクセスしてきた多くのユーザーにコピーされて拡散し、デジタルタトゥーとなってしまうのです。
2.リベンジポルノなどの「画像」
画像がデジタルタトゥー化しやすいケースが「リベンジポルノ」です。
性的な欲求を高めるような画像は、一度ネット上にアップされると、瞬く間に拡散し、すべてを消し切ることは不可能になってしまいます。
また、画像の場合は仮にネット上のものをすべて消し切れたとしても、拡散先のユーザーにオフラインで保存されてしまう可能性もあり、完全にデジタルタトゥーとなってしまうのです。
このように、炎上とリベンジポルノ画像は、デジタルタトゥーの大きな原因となっているのです。
デジタルタトゥーに対する2つの対処法
このようにデジタルタトゥーは一生消えない傷となってネット上に残り続けてしまう恐れがあります。
ただ、発見と対処が早ければ次の2つの方法によって被害を最小限に食い止めることができるかもしれません。
一つずつ削除する
発見が早ければ、デジタルタトゥーとなる前に基となる誹謗中傷記事を削除することができます。この際のポイントは、比較的アクセスが多いグーグルやヤフーなどの検索エンジンで引っかかってくるサイトに拡散している情報から削除していくことです。
拡散しやすいところから削除を優先していくことで、さらなる拡散を食い止めることができます。このあたりはネット誹謗中傷に強い弁護士に相談してみると良いでしょう。
逆SEO対策
もしもデジタルタトゥーとなってしまっているようであれば、無理に削除を続けても時間と費用がかかるだけです。それであれば、「消す」ことよりも「隠す」ことを考えた方が現実的です。ネット上は広大な原野ですから、探して消すことよりも隠す方が簡単だったりするのです。
これについてはネット誹謗中傷対策業者などでサービスを行っています。デジタルタトゥーがグーグルやヤフーの検索上位にヒットしないよう、類似するサイトを構築して上位表示に持ってくるというのが逆SEO対策の流れです。
炎上による誹謗中傷記事や画像の拡散を防ぐために[まとめ]
このようにネット誹謗中傷被害は、対処が後手になればなるほどデジタルタトゥーとなってしまう可能性が高まります。そのため、もしもそのような記事を発見したら、できる限り早くネット誹謗中傷に強い弁護士に相談し、適切に対処することが大切なのです。