一般ユーザーが気を付けるべきネット上の犯罪行為
ネット上は周りの人の顔が直接見えないため、ついその表現方法や言葉使いが乱暴になりがちです。また、「ネット上だから」と軽い気持ちでやったことが、思わぬトラブルに発展することも少なくありません。
そこで今回は、意外と知られていないネット上の犯罪に該当する可能性がある行為について解説したいと思います。
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故意に「悪評」を書き込む
最近では、物を買うにもサービスを受けるにも何かと「評判」「レビュー」といったものを参考にするようになりました。
例えば、アマゾンや楽天などの通販サイトでも、商品を購入する際には、必ず評判を確認するのではないでしょうか。また、レストランを探す際にも、食べログの評判を見て決めたりすることもあるでしょう。
このように、評判は一昔前のクチコミのレベルを超えて、非常に影響力の強いものとなりつつあります。
そんな中、こういった評判やレビューに故意に悪評を書き込んで相手を困らせようとする人がいるようです。
例えば、本当は料理が美味しいのに、何らか気に入らないことがあって、その腹いせに、店の評判を下げるようなことを書くといったケースがあります。
そもそも評判は決して好評だけではなく、中には酷評もあってしかるべきでしょう。酷評自体が悪いということではありません。ただ、あまりにもひどい悪評については、書き込まれた店や企業側から「業務妨害罪」や「信用毀損罪」で訴えられる可能性があります。
実際、食べログでも悪評を投稿したユーザーが店側とトラブルを起こすケースはあるようです。どこまでがアウトでどこからがセーフかはとても難しい判断が必要です。ただ、少なくとも事実に基づかない批評は、単なる悪口でありそれによって売り上げに深刻な影響が出れば、相手から損害賠償請求を求められる可能性もあるでしょう。
犯行予告
時々ニュースで耳にする犯行予告、その多くはいたずらであることが多いのですが、インターネットが普及してからというもの、こうしたいたずらが増えたように感じます。
「爆弾を仕掛けた」
「〇〇を殺す」
などといった犯行予告の書き込みがありますが、これらも度が過ぎれば業務妨害罪や軽犯罪法違反に問われる可能性もあります。
特に、営業している施設に爆弾を仕掛けた、などと混乱を来たすような犯行予告をした場合、それによって生じた損害を請求される可能性もあるでしょう。軽い気持ちで書き込んだことが、思いもよらず大事になることもありますので、絶対にやめましょう。
リベンジポルノ
徐々に社会問題化してきているのが「リベンジポルノ」です。
これは、別れた恋人に対する腹いせとして、相手の淫らな画像や動画をネット上に公開して拡散する行為を言います。これについては、相次ぐストーカー被害をきっかけに制定された「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」、通称「リベンジポルノ防止法」によって処罰されます。
具体的には、以下に全て該当する場合に、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金を科される可能性があります。
- 第三者が被写体を特定できる方法で撮影されている
- プライベートとして撮影された性的画像記録である
- 不特定又は多数の者に提供されている
なお、画像記録を拡散させる目的で特定の者に提供した場合も1年以下の懲役又は30万円以下の罰金が科されます。
リベンジポルノについては、他の誹謗中傷記事の削除請求よりも削除までの法的手順が短縮されたため、素早く削除してもらうことが可能です。
また、リベンジポルノをネタに相手を脅迫すれば脅迫罪の可能性も考えられます。
さらに、画像や動画の内容によっては児童ポルノ禁止法違反に問われる可能性もあるでしょう。民事上でも相手方から精神的苦痛に対する慰謝料などを請求されるかもしれません。リベンジポルノについては、他の誹謗中傷被害よりも損害賠償の面において、裁判所が事態を重く受け止めて被害者よりの判決を下す傾向にあるように感じます。
《参考》恐ろしきリベンジポルノの恐怖。被害を受けた場合は、画像や動画の削除を弁護士に相談しよう
なりすまし
インターネットの世界は、相手の顔が直接見えないため、それを逆手にとってフェイスブックやツイッターなどで他人になりすましているケースがあります。こうしたなりすまし行為については、それによって本人の社会的評価を低下させたりすると、名誉毀損となる可能性があります。また、なりすましによって企業の営業活動に損害を与えれば、それに対する損害賠償請求をされるでしょう。
《参考》ネットで名誉毀損されたら、慰謝料はいくらもらえるの?
なりすましは、いたずら半分で行っている人も多いようですが、それによって実際に損害が発生すればいたずらでは済まないので、絶対にやめましょう。
まとめ
これら4つの行為は、自宅にネット環境さえ整っていれば、老若男女を問わず加害者となり得る可能性があります。カッとなってその勢いのままにこれらの行為に及んでしまうと、後で取り返しのつかないことになります。
「どうせ自分だとバレない」
そう思っていませんか?
最近は、被害者が発信者情報開示請求によってIPアドレスから経由プロバイダを突き止めて、発信者を特定して損害賠償請求や告訴までに至るケースも出てきています。
必ずバレますので、絶対にやめましょう。