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違法な削除業者に要注意!弁護士じゃなければできない非弁行為ってなに?

ネット上にアップされた個人情報や誹謗中傷記事、名誉毀損記事などを削除するためには、そのサイトの管理者やプロバイダと直接交渉しなければなりません。通常、これらの手続きはご自身で自ら行うか弁護士が対応しますが、中には削除業者や対策業者と呼ばれるいわゆる「削除屋」のような業者も存在しているようです。

では、これらの業者は法的には問題ないのでしょうか?

弁護士じゃなければできない非弁行為ってなに?

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弁護士以外がやってはいけない4つのこととは?

そもそも弁護士ができることについては、弁護士法という法律にその規定があります。その中で、弁護士以外がやってはいけないことが4つ規定されています。

弁護士法第72条

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。

ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

弁護士法第74条1項

弁護士又は弁護士法人でない者は、弁護士又は法律事務所の標示又は記載をすることができない。

弁護士法74条2項

弁護士又は弁護士法人でない者は、利益を得る目的で、法律相談その他法律事務を取り扱う旨の標示又は記載をすることができない。

弁護士法74条3項

弁護士法人でない者は、その名称中に弁護士法人又はこれに類似する名称を用いることができない。

このように、弁護士以外のものは原則として法律事務に介入することが法律で禁止されています。

なぜなら、なんの資格者でもない削除屋のような業者が法律上の紛争問題に介入すると、法律秩序が乱されるとともに、国民の権利や利益に損害を与える可能性があるためです。

ですから、弁護士ではない削除業者や対策業者のような組織がネットにアップされた誹謗中傷記事の削除手続きを請け負うことは、弁護士法に違反することとなるのです。

これはネット誹謗中傷の問題だけに限らず、交通事故の示談交渉や、相続における遺産分割協議の代理交渉など全ての法律業務について言えることです。

なお、このように弁護士法に違反する行為のことを「非弁行為」といいます。

《参考》増え続ける誹謗中傷被害!弁護士に相談するメリットと、対策業者との違いとは?

無くならない違法対策業者と非弁行為の境界線とは?

ネット誹謗中傷の対策業者の一番の問題点は、それらの記事を掲載している管理者やプロバイダとの間で削除の「交渉」をするところにあります。
この行為がまさに非弁行為と言われる部分となるからです。

では、逆にどこまでなら対策業者でもやってしまって問題ないのでしょうか。
例えばこれらの対策業者に相談にいくと、こんなことを言われることがあります。

「うちは弁護士じゃないけれど、直接交渉するわけじゃないから法的には問題ないんですよ」

非弁行為かどうかは、直接交渉するかどうかが問題ではありません。電話、メール、書面、いずれについても、対策業者として管理者やプロバイダに送付することはできません。

また、中には対策業者名ではなく、被害者本人の名前で書類をつくって送付するというケースもあるようです。本人名なら問題ないとの認識のようですが、これについても実態として対策業者が作成して送付しているのであれば同じことです。

このように本人になりすまして対策業者が削除交渉するような行為も非弁行為となります。

「うちは弁護士と提携しているから、削除交渉を請け負っても問題ないんですよ」

これを聞くと一般の方は安心するかもしれませんが、実はこれも非弁行為となります。弁護士と提携しているなら問題ないだろう、と思うかもしれませんが、弁護士法では削除対策業者のような業者と弁護士が結託することを禁止しているのです。

弁護士法第27条

弁護士や弁護士法人が、非弁活動を行う者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。

このように、非弁行為を行う対策業者と提携することを「非弁提携」といい、これを禁止する上記規定を「非弁護士との提携の禁止」といいます。つまり、弁護士はそもそも削除対策業者と提携すること自体禁止されているため、提携しているという話自体が嘘なのです。

単純にいうと、弁護士や弁護士法人ではないものは、すでに紛争化している事案に業務として関わることはできないのです。たとえ、その関わり方が、書面、メール、電話、弁護士との提携云々はまったく関係ないのです。

ネット誹謗中傷記事の削除請求自体、すでに法的な紛争が発生していることが前提なわけですから、相談する先は削除対策業者ではなく、弁護士または弁護士法人が正しい選択です。

ですから、これらの業者の話に丸め込まれてつい依頼してしまうことのないよう、十分注意しましょう。

こんな対策業者は問題ない!

なお、削除対策業者の中にも、法的に問題なく営業しているまっとうな会社もたくさんあります。ネット誹謗中傷問題において、弁護士以外のものがやっても非弁行為とならない業務の代表例が、「誹謗中傷の事前対策」のサポートです。

例えば、ネガティブな書き込みで企業イメージを悪化させないよう、専門の対策業者に依頼をして定期的にウェブ上を巡回監視してもらうといったものがあります。このように、紛争を予防するための事前対策としての業務であれば、特段非弁行為とならないものが多いため、必ずしも弁護士ではなくても依頼すること自体は問題ないでしょう。
ただ、万が一誹謗中傷被害が発覚した際には、速やかに弁護士に相談するようにしましょう。

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