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名誉棄損における裁判事例(ネット・テレビ・雑誌・週刊誌など)

弁護士や司法書士の間で長く続いた「過払金返還請求」は10年の時効を迎えつつあり、一時期から続いた過払金ブームは終わりを告げようとしています。そして、これに代わって新たな需要として浮上しているのが「インターネット上における誹謗中傷による名誉毀損」、そして「損害賠償請求」です。

今やほとんどの人がインターネットを自由に閲覧できる環境にあり、そして自分の主義主張を投稿するのも自由にできます。極端な話、小学生でも簡単に全世界が閲覧できる場所に、自由に投稿ができてしまう、ある意味危険な環境でもあるのです。
そこで今回は、実際にあった名誉毀損における裁判事例などについてご紹介したいと思います。

名誉毀損とは

よくカッとなると「名誉毀損だ!」と叫ぶ人がいますが、名誉毀損とは刑法に規定されている名誉毀損罪のことを言います。名誉毀損罪で有罪となると「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」に処されます。

ただ、おそらくこの場合「名誉毀損だ!」と叫んでいる人の心理としては、相手を刑罰で処罰してもらっても、本音は嬉しくないでしょう。本当は「名誉毀損だ!慰謝料を払え!」と言いたいはずです。

この慰謝料を請求するのは、刑事裁判ではなく民事裁判による損害賠償請求です。

このように、名誉毀損と一言で言っても、刑事責任における刑罰と民事責任における損害賠償請求という2つの側面があります。それぞれは別の次元での話ですので、たとえ名誉毀損罪で処罰されなくても、民事上の損害賠償請求が認められる可能性もあります。
これを念頭において、以下の事例を見ていきましょう。

《参考》ネットで名誉毀損されたら、慰謝料はいくらもらえるの?

名誉毀損の裁判事例

慰謝料請求が認められた事例(昭和59年8月29日 仙台地裁 判決)

【事例】
主婦3人らが近所や職場にまで陰口を言いふらし、その結果被害者が退職に追い込まれました。そして家族と共に持ち家処分して転居せざるを得なくなった事案です。

本件事例において、裁判所は「町内のお茶飲み話の域を超えている」として、慰謝料各々20万円、合計60万円の支払いを命じました。

【考察】
この事例は、いわゆる主婦の井戸端会議がエスカレートしたケースです。

これは30年ほど昔の事例ですが、最近であればLINEなどのSNSのコミュニティでも同じことが起こる可能性があるでしょう。通常、井戸端会議は口頭で行われるため、このように慰謝料を求めて請求をしても、誹謗中傷の証拠が残らないため損害賠償請求は非常に難しいとされています。
けれども、インターネット、SNSの場合は、データとして記録が残るため、度が過ぎれば慰謝料を求めて訴えることもできるでしょう。

名誉毀損にならなかった事例(最高裁 昭和41年6月23日)

【判旨】
「名誉毀損については、その行為が公共の利害に関する事実に係りもっぱら公益を図る目的に出た場合には、摘示された事実が真実であることが証明されたときは、同行為には違法性がなく、不法行為は成立しないものと解するのは相当であり、もし、同事実が真実であることが証明されなくても、その行為者においてその事実を真実と信ずるについて相当の理由があるときには、同行為には故意もしくは過失がなく、結局、不法行為は成立しないものと解する」

このように、こちらの事例では一転して名誉毀損は認められませんでした。

限られたグループ内において誹謗中傷が行われても、その結果本人の「社会的評価」が低下するに至らなければ、名誉毀損としては成立しません。例えば、何らかの理由でその誹謗中傷により職場を失ったり、引越しをせざるを得なくなるような状況に追い込まれた場合は、相手方への慰謝料請求が認められる可能性があるのです。

ネット関連の名誉毀損裁判事例

病院が名誉毀損で訴えた事例

2chの掲示板に名誉を傷つける書き込みをされたとして、被害者である動物病院が掲示板の管理人に損害賠償請求を求めた裁判です。

裁判所は、当該書き込みの削除と400万円の支払いを命じました。400万円という賠償金は、ネットの誹謗中傷被害としては比較的高額な部類に入るでしょう。個人の場合とは違い、法人や病院などの団体となると営業的な被害も考慮されるため、慰謝料が高額になるケースがあります。

2chのメルマガで名誉毀損された事例

2chが発行したメルマガにおいて、大手企業に対する名誉を毀損する内容が含まれていたとして、当該企業が1億円の損害賠償を求めて裁判を起こした事例です。1億円の損害賠償請求に対し、裁判所は管理人に対し700万円の支払いを命じました。請求額に対しては少なく感じますが、名誉毀損による慰謝料と見れば高額といえるでしょう。

やはり企業に対する名誉毀損は高額な賠償が認められるケースが多いようです。

個人に対する名誉毀損の事例

2chに被害女性の容姿や男女関係を侮辱する内容を書き込まれたとして、2ch管理人に損害賠償請求を求めた裁判です。判決では当該書き込みの削除と100万円の支払いを命じました。

企業に比べると、損害賠償の金額としては少ない印象です。

まとめ

誹謗中傷、名誉毀損などの書き込みに対する損害賠償請求は、被害者が個人か法人かでその金額が大きく変わる傾向にあります。

個人の場合は精神的な損害が中心に見られるのに対し、法人の場合は営業損害など営業的な側面が重要視されるため、どうしても法人などの団体の方が賠償額は高額になりやすいのです。